遺産分割するはずの預金を、他の相続人に相談もなく、勝手に使い込んだり・不動産の名義を変更したりした場合は、不当利得が成立するケースが多くあります。
正当な理由なく、他人の財産・労務などの損失により利益を得ること、もしくは利益そのものをいいます。
民法第703条では、「法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。」と定めており、この不当利益を返還するよう請求することを、不当利得返還請求権といいます。
不当利得を成立させるためには、満たすべき要件が4つあります。
この4つを満たすことで不当利得が成立し、損失を受けた人は、不当利得返還請求権を得ることができます。その際に請求できるのは、利益を得た人の手元に残っている利益のみですが、相手方に悪意がある場合(法律上の原因がないと知っていた場合)は別で、得た利益全てを請求できるだけでなく、それに利息をつけて返還請求が可能となります(民法第704条)。
遺産は法定相続人が複数いる場合は、全員で協議を行って遺産分配を行いますので、一部相続人の不正な使い込みがあった場合は上記の不当利得が発生し、他の法定相続人による不当利得返還請求もしくは、不法行為による請求が可能です。
不当利得は10年、不法行為は3年と時効が定められていますので、使い込みの期間が相続開始前からと長きにわたる場合は、不当利得での請求になるはずです。まずは一度法律相談などを行っている弁護士事務所に相談だけでも行ってみてください。
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